私は、45億年と63歳


私は24歳の時に結婚を決めました。
結婚の意志を彼女に伝えたとき、
彼女は年上を理由になかなか
色よい返事はくれませんでした。

そして、子供欲しくないからと
言っていたのです。

 

彼女に何故子供が必要なのかと
問われたとき、私は、自然に口から
次のようなことを語っていたのです。

 

「僕が今こうして生きているのは、
両親が居たからです、そしてその両親は
僕の大好きな祖父母がいたからです。

 

そしてその祖父母もそれぞれに
両親がいたからなのです。

 

さかのぼっていくと何代にもわたって
続く命の流れのなかにあったからこそ、
こうして今僕という存在が
この時代に生きているのです。

 

貴方も又同じように、途切れる事なく
続く命の流れの中に生きているのです。

 

さらに人間の命の流れを溯って行くと、
胎児が母親のおなかの中で繰り返す、
生命の進化の大元まで
溯ることができるのです。

 

この生命の流れを受け継いだ私という
生命の責任、最低限の責任は
一体何なんだろうかと
自分自身に問うたときに、

 

社会に貢献したり、
大きな実績を残すことではなく、
この命の流れを絶やす事なく
次の世代に引き継ぐことが、今を生きる
自分自身の最低限の務めではないか。

 

それだからこそ自分の子供、
我々の子供が欲しいのです。
もし残念ながら自分たちの子供が
出来なければ、養子をもらって、

 

自分たちの命が直接流れなくても、
この時代に生きた証しとして子供を育てて、
命の流れを作っていきたい。」

 

このように答えていたのです。
これは不思議な体験でした。

 

24歳の若造がとっさに答えられる
内容でないことは、
自分自身良く解っていました。
これまでこのようなことを真剣に
考えたことはなかったのですから。

 

 

不思議な体験というのは、
自然と、というか頭上はるかなところから
情報が流れて来るような体験だったのです。

このような体験は、これからしばしば
起きるようになるのですが、
このときは自分自身でも初めての体験で、
しゃべりながら驚いている自分がいました。

 

その後、彼女は結婚をOKしてくれ、
幸いなことに25歳で
初めての子供を授かったのです。

 

このときのことは、実際には自分自身でも
本当に理解していたとは言えません。
今でも理解していると言い切れず、
まだその真理を探していると
いっていいでしょう。

 

自分が命の流れを引き継いでいるなら、
その流れは宇宙誕生の時まで
溯らなければいけないでしょう。
そうであるなら

 

私は45億と63歳ということになります。

そうです私こそは宇宙の進化の歴史を
今実現している宇宙人なのです。
そして貴方も又同じ宇宙人なのです。

 

素晴らしいではありませんか、
今こうして生きていることだけで、
私たちははるか遠い宇宙誕生の
歴史を繋いでいるのです。

 

今この時代に生きている、貧乏でも、
金持ちでも、身体が不自由でも、
不幸と感じていても、
とにかく生きているのです。

 

生きていることこそ価値があるのです。
堂々と胸を張って言いましょう、
私は立派に生命の流れを
引き継いでいますと。

 

そして、直接自分の子供でなくとも、
この時代に生きていることこそが、
大いなる生命の流れの中に身を置いて
命の流れを繋いで行っているのです。