八咫鏡
鏡は不思議な世界に誘ってくれます。
おとぎ話やSF世界でも
鏡は沢山出てきます。
日本の鏡の歴史は
祭祀と密接に関係しています。
三種の神器の一つの
八咫鏡(ヤタノカガミ)は、
天岩戸開きの神話で出てきます。
天岩戸に引きこもった天照を
呼び出すために、八咫鏡は作られました。
アメノウズメが裸で踊り、神々が大爆笑。
太陽神の天照がいない暗闇の世界で
なぜなのだと、天照が天岩戸を少し開く
すかさず鏡を差出され、
自分の顔が映されると驚き、そのすきに
アメノタヂカラオが岩戸を開きます。
その時から、八咫鏡は天照の魂が宿る
鏡となりました。
天照の孫が地上に降り立つときに、
持たせたお守りが八咫鏡です。
伊勢神宮は、宮中に置かれていた
八咫鏡を移すために作られました。
万葉集に
まそ鏡 みませわがせこ わがかたみ
もてらむときに あはずあらめやも
遠く旅立つ夫の妻が形見として鏡を
持たせて、この鏡でいつも私と
鏡を通して会えますよと。
素敵な歌を送られたのですね。